4/29/2014

骨盤

滞在15日目。今,4月29日(火)の午前4時40分。

昨日の正午前,地元のコミュニティセンターでのTai Chiクラスの2回目に参加。コミュニティセンターの会員にもなり,参加費は会員料金となり1回(1時間)4ドル。これで本格的な伝統楊式太極拳が習えるんだから,かなり良心的。先生のスティーブも非常に良い人で,1時間濃密に教えてくれる。魅力的な人物である。こうして人を惹きつける魅力があるからこそ,自ら修行している術の教室が開けるんだろうなと思う。

今ちょうど,清水豊著「老子と太極拳」を読んでいるけれど,まさに太極拳をひたすら練り続けることが,「道(タオ)」へと向かう有効なアプローチであり,ただひたすらに練ることが大切だとある。そしてそれを5年10年と続けていれば自ずと「道(タオ)」に近づく。スティーブはもともと良い人なんだろうけれど,太極拳というアプローチが彼をより豊かな人物にしているのだとしたら,清水氏の言う通り,太極拳というのは非常に優れた技法だということを実証している。

スティーブは,骨盤を立てろと盛んに言う。腰の辺り,腹の辺り,ここが要だと言う。聞き間違いでなければ,下腹と腰が太極拳のtreasure(秘蔵の宝)だと言っていた。もちろんここは,あらゆる武術で要とされている。

スティーブも骨盤を立てると言っているし,以前日本で習った制定八段錦の先生も骨盤を立てるようにと言っていた。站椿でも腰をまっすぐ立てる。中国の術は,どうも腰のところをまっすぐにするところがポイントのようだ。壁に沿うようにまっすぐにする。

空手はどうか。まず那覇手は,骨盤を立てる。サンチンはまさにそこのところを丁寧に練る。息を下丹田に吸って入れ,吐いて締めるとき,腹圧を上げ尻を締め上げ,骨盤を立てる。だから,腰に関して言えば,少なくとも那覇手の技法は,中国の技法と共通する。

一方で,首里手の場合,例えば,ナイファンチでは,腰を立てるのではなく,あえてやや反り気味になった状態を良しとするやり方もある。例えば,新垣清氏はこれを「袴腰」と称して重視している。僕自身は,腰を反り気味にしろと強いては習っていないが,ナイファンチで立つと,確かに自然にそうなる。

だが,もしかしたらここのところは,実は,あんまり腰を反らない方が良いのかもしれない。腹圧を高め,尻を締めれば,自然に骨盤は立つ。これと腰が反れているのとでは,一見,矛盾している。サンチンとナイファンチで,同じ原理で説明できるとすれば,ここは謎がまた一つ出てきた。

ナイファンチにおける腰(骨盤)を研究してみよう。立ちに違いが出てくるかもしれない。

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