8/10/2014

足の裏

滞在118日目。8月10日(日)の午前4時。

ハリケーンJulioが近づいているけれど,北の方に逸れそうなので,オアフ島にはほとんど影響がなさそうだ。良かった。今回,会うローカルの人みんな,ハリケーンのことを心配してその話ばかりするので,ハワイのハリケーンを最後に経験して帰るのか,と多少戦々恐々としていたが,大したことがなくて良かった。

先日,スティーブの師匠であるPang先生の1987年の著書,"On Tai Chi Chuan"が届いた。早速,斜め読みしてみた。太極拳とは何かだとか,稽古するときに心がけることやコツなどが,色々書かれてる。英語だから表面的にざっと読んだだけなので,もう一度,改めて丁寧に読んでみよう。

すねと甲の痛みは,そういえば,ギックリ腰のときにも一時的に強くなった。何か神経的なつながりがあるのかと思っていたけれど,そうではなくて,きっと腰をかばって歩いたり動いたりして,すねと甲に強い負荷がかかったせいかもしれない。つまり,腰が痛くて伸ばせないから,歩く際に前傾姿勢になる。スティーブも言っていたが,太極拳の稽古で前傾しすぎているとすねが痛む,ということだったので,今思えばまさにその通りだ。

それから,そのOn Tai Chi Chuanの中でPang先生は,「踵で立つ」(踵をしっかり地面に着ける)と言うようなことを書いている。確かに踵で立つ感じであれば,前傾姿勢にはなりにくい。

ただ,踵で立つというのは,尾てい骨を中心に姿勢をまっすぐにして,身体が踵に載る,という意味でもある。それが太極拳の正しい姿勢であり,それによって力が正しく伝わる,ということだ。例えば,スティーブが以前,自ら金鶏独立のポーズで立って,尾てい骨は踵の上に来ているかどうか後ろから見てくれ,と言っていた。概ね尾てい骨は踵の上だ。つまり,僕に,身体は踵に載ることを示そうとしていた。そうして踵で立つことを意識すると,身体は確かに前傾しにくい。

太極拳など中国武術は,靴をはいて練る。On Tai Chi Chuanには,足が冷えると身体に悪いから,裸足で稽古しない方が良いとも書いてあった。

一方,空手は裸足で稽古するのが普通である。裸足で立ったり歩いたりすることが,健康にプラスになることもあるだろう。だから裸足が良いか悪いかはともかくとして,空手の場合,その裸足の指で,地面を掴むようにする。土踏まずのところを落として,指で地面を掴む。そうすると,どちらかというと足の真ん中かあるいはやや前の方に,体重が載る。つまり,踵に体重が載る感じにはならない。無論,空手も当然,踵は着ける。そして,地面の力を突きや蹴りに伝える。突きは踵で打つのだ。

ただ,足を掴む感じにすると,どうしてもやや前傾する。これが甲の痛みの原因かもしれない。太極拳で一緒のLilianおばあちゃんに,どうも足の甲が痛いんだと話したら,それは裸足で太極拳をやってるからか,あるいは,足の指で地面を掴もうとしてるからじゃないの,と言われた。なぜ僕が地面を掴もうとしていることを知っているのだ!?8月1日に誕生日を迎え,御年85歳。慧眼である。別に武術家でも身体の専門家でもないのに。いや,ある意味,80歳から太極拳を始めて,欠かさず毎週稽古に通っているのだから,すでに武術家なのだ。スティーブに,いつも,身体の軸や重心のことを熱心に尋ねている。

空手の操作として,足の中心(土踏まず)のところに重心を置いて,指で掴む感じにする。掴もうとすると足に力が入る。こうして力を使って立つことが,身体を硬くする。身体が強ばると,体重(重心)は落ちない。リラックスして柔らかくする必要がある。

ただ,意拳のワークショップに一度出たことがあるけれど,意拳では例えば站椿のポーズのとき,足の裏の前の方に意識を向ける(体重を前の方に乗せる。そのため踵をやや浮かせる練習のやり方もある)。

さて,身体は,足の裏のどの辺りに載せるのが良いのか。いやあるいは,足の裏全体に万遍なくフラットに載せるのが良いのか。前からここは研究のポイントの一つだったけど,まだまだ奥が深そうだ。

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