7/10/2014

身体の中心

滞在87日目。7月10日(木)の午前4時20分。

昨日のスティーブの稽古で,また面白い発見があった。意識の中心と身体の中心は違う,という話だ。

意識の中心は下丹田である。ここに気を集め,ここからエネルギーを発する。一方,身体の中心は下丹田ではない。尾てい骨である。尾てい骨を中心に身体のバランスを取る。ここのところを間違えてはいけない,と。

ただ,下丹田と尾てい骨を無理に分離する必要はない。腰腹は一体と考えればよくて,あるいは要するに腰腹辺りが重要だということで,腰腹を中心に意識することには変わりはないからだ。細かいことを言えば,身体の軸は尾てい骨にある,ということだ。

身体の軸あるいは芯は,尾てい骨を捉え感じながら,これを立てて,これに背骨の一つ一つが力を使わずに自然に乗っかっているような状態でもって,できあがる。力を入れて無理にまっすぐになろうとしない。自然に軸を感じていくようにする。そう。強為ではなく云為である。

しかし,これは言葉では簡単だがやってみると難しい。つい尾てい骨が反りすぎたり倒れすぎたりして,寝てしまう。ここで,寝ないように立てようとすると力が入る。ここに力が入ると,身体全体が強ばってしまう。昨日はだから,「Shintaro, too much strength! Too much!」と指摘された。いや,まったく意図してないのに,つい力が入ってしまう。太極拳はそうではなく,尾てい骨を感じながら,Gently and Softlyにやるのだ。

尾てい骨を中心に軸がしっかりとできると,まるで無重力(Zero Gravity)のようになる,とも言っていた。その感じは,なんとなく分かった。尾てい骨を中心に,自然に背骨が重なり,足に体重がしっかり乗る。この感じのことを言っているのだ。しっかりと軸を作り,体重を片足に乗せると,まるで無重力のように,その他の四肢は自由に動く。このことを盛んに言っていた。

しかし,これまた,この状態を始終維持しようとすると,無理に力が入ってしまう。つまり,しようと頑張るとダメなのだ。意図してなろうとすると良くないのだ。自然にそうなるように,練っていく。ただそれだけしかないような気がする。やろうと思ってすぐにできることではない。だから武術は奥が深くて,面白い。

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