滞在86日目。7月9日(水)の午前3時30分。
ワールドカップ準決勝で,ブラジルがドイツに大敗した。1-7。
これは野球の試合結果ではない。サッカーである。しかも,世界ランキング2位と3位の試合である。世界最高水準のサッカーの試合のはずである。週末の土手でやってる草サッカーの試合ではない。歴史的大敗という他に表現のしようがない。
もう早速,メディアでは,「ベロオリゾンテの屈辱」と命名されている。イージーだけれど,今回の状況にぴったりの分かりやすい命名。1950年の自国開催の時,優勝を逃したウルグアイ戦の敗戦を「マラカナンの悲劇」というらしいけれど,それから64年,ブラジルにとっては,その悲劇を乗り越えようというのが一つのキャッチコピーだった今大会は,果たして,乗り越えるどころから「屈辱」に終わった,というわけだ。
試合中すでに,ブラジルサポーターは,大人も子どもも,本当に涙を流して泣いていた。特には,子どもがむせび泣く姿は,胸が痛む。たぶん,ブラジルはこれで,誰も倒せないようなサッカー最強国に生まれ変わると思う。涙を流した次世代が,ブラジルを変えるはずだ。そう祈る。
試合をライブで見ていたけれど,2点目を入れられてからは,これこそまさに,緊張の糸が切れたかのような崩れっぷり。そこからはもうまるで,大人と子どもの試合。
ここまでのブラジル戦,いつも異様なテンションだった。選手は大声で国歌を叫ぶように歌い,試合に勝てば喜びと安堵のためか,泣き崩れ,神に祈る。試合中も,全体的に興奮した様子で動き回る。それもそのはず,どでかい球場全体が黄色く染まって,地鳴りのような声援が送られれば,サッカー王国と言われる開催国の代表としては,テンションが上がらない方がおかしい。
準々決勝で攻撃の要であるネイマールが腰椎骨折したため欠場,守備の要である主将チアゴシウバも累積警告で出場停止。さぁ,これで強豪ドイツと戦うという状況は,勝たなければならないブラジルとしては,まさに背水の陣だっただろう。そんな異様なテンションにあるとき,先制点さらには追加点を取られるという展開は,つないでいた緊張の糸がぷっつりと切れてもおかしくない。ここからは,これが本当にあのブラジルかと思えるような崩れっぷり。
街では,バスに放火だとか略奪だとかが起こってる,なんて話も聞こえてくる。マジで?いやそれぐらい,国民も混乱するような,それこそ国技と言えるサッカーでの屈辱的大敗だったからね。
どう復活するか。4年後が楽しみである。
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