5/10/2014

外で練る

滞在26日目。5月10日(土)の午前4時。

昨日,ボブに2時間弱,武当太和拳の稽古をつけてもらった。ひたすら彼と一緒に繰り返し套路を練りつつ,ときどき「そこはこうで,ここはこうで」と説明や指摘を受ける。

その彼の動きを見ながら,自分の動きを修正する。彼の動きに,自分の動きを合わせていく。三次元の視覚情報と自身の体性感覚情報とをリアルタイムでマッチングさせていく。

帰ってからの一人稽古では,過去の記憶の中の視覚情報と言語情報を手がかりに(これに加えてYoutubeの動画なども参考に),今ここにある身体を太和拳の動きへと近づけていく。

形(套路)は,こうして一人で練っていると,微妙な細部に不明な点が出てくる。疑問は,何年練っても絶えず,もうないだろうと思っても,練っている内にまた出てくる。この繰り返しである。太和拳はまだ練り始めたばかりだから,疑問点は多い。この疑問点を,練りながら解決・修正していくのが楽しい。

答えは,そもそも身体が知っている場合がある。武術的な動きは,基本的には自然な動きなはずだから,動きにあまりにも無理があるものは,たぶん間違っている可能性が高い。ただすべてが解決するわけではなく,やはり,師から教わった手がかりが解決への糸口となる。

昨日は,近くの公園で稽古をつけてもらった。公園はだいたい芝生が綺麗に整備されているし,こっちはまとまった長雨というのは(今のところ)ないので,こうして普通に野外で稽古することができる。だから,ホノルルの公園,特にビーチに近いところでは,ヨーガや合気道なんかのサークルもやっているようだ。

そういえば,中国武術はこうして公園などで稽古することが多いような気がする。なぜだろう。中国でも太極拳は公園でやっているイメージだし,日本でも多くの団体が公園を稽古場として使っていたりする。

太極拳が本来,気を練り道(タオ)へ至るアプローチだとすれば,自然の中で練習した方が効果的であることは確かだ。理論的には天地と気を循環させるわけだから,天や地がはっきりと分かるところで稽古した方が良い。ただこれは,イメージだから,本質的にはどこでやっても同じだ。しかし,イメージはとても大切である。「気を練る」ということが本来そもそもイメージだから,実は,どこで稽古するかは大切である。

今度,公園の芝生の上で一人稽古してみようか。気持ちが良いかもしれない。

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