5/16/2014

ホノルル動物園

滞在32日目。5月16日(金),午前5時。

昨日は,朝からホノルル動物園に行ってきた。

敷地はそれほど大きくないけれど,園内は建物や檻など綺麗に整備されていて,芝生は綺麗に整えられ,樹木も豊富な種類が植えられていて,子ども用の遊具もあって飽きさせず,売店で出してるハンバーガーも(値段は確か11ドルか12ドルぐらいで高いけど,注文してから作るので)かなり美味しく,展示されている動物たちもどれも(日本にある動物園に比べて)距離が近くで見やすく,全体的にとても良い動物園だった。クジャクが放し飼いで,ランチを食べていると寄ってきておこぼれをもらいに来る。

ただこれは,平日の朝から行ったから良かったのかもしれない。というのも,敷地は広くなく動物の種類も豊富というわけではない中で,来園者が楽しめるように色々と細かい工夫がされているために,もしこれで歩くのも大変なぐらい人がわんさといたら,その工夫を一つ一つ楽しめない可能性が高い。だから,もし行くのなら,平日の朝がオススメ,である。

しかし,日中はだいぶ暑くなってきた。日陰は涼しいけれど,日の当たるところは日差しが厳しい。動物たちはほとんどが,日陰で休んでいる。無駄な体力の消耗を避けるべく,ただひたすらそこに佇んでいるか,寝ている。チンパンジーが木陰に坐ってひたすらじっとしている様子に,仏の姿を見る。

彼(女)は,いったい,何を思っているのだろうか。チンパンジーなら簡単な心の理論も解くし,メンタルタイムトラベルできるかのような記憶や学習の能力もある。ならば,多少はマインドワンダリングするんじゃないかと想像する。それとも全くワンダーせずに,今ここにあるのか。だとしたら,寝ているのではなくて起きているとして(目覚めているとして),何もせずただ木陰でじっとしているとき,彼(女)の意識はどうなっているのだろうか。

動物園の動物は,何か心を煩わせる危険(捕食や洪水や山火事など)があるわけではなく,安全だと思われる(が,自然の環境からすれば極端に)狭い柵や檻の中で,じっとしている。定時に餌も与えられるから,狩りに出かける必要もない。ただ何もせずじっとしていることがストレスになって心を患う動物園の動物もいるみたいだけれど,多くの動物たちは,とりあえず寝ているかじっとしている。

人間は,食っていくためばかりでなくそれ以上の欲を満たすために,いつもやることばかりで手元がいっぱいになり,それがストレスになって心を患う。何もせずにじっとしているということができない。いつも何かしていないと気が済まない。それがストレスの元だいうことは分かっていても,止められない。

だから,ああして動物園の動物のように,何もせずにただいることをうらやましく思う一方,何もできずにただじっとしていなければならないことを哀れにも思う。

じっとしていてもストレスになるかもしれないけれど,たえず動いていなくてはいけないのもストレスになる。だから,適度に動き(陽),適度に止まる(陰)。動くこともあれば,じっとしていることもある。そのくらいが一番健康な気がする。陰陽のバランスの取れた中庸こそが大切である。

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