滞在18日目。5月2日(金)の午前5時。
昨日は午前中,ボブから,武当太和拳Wudang Taihequanの個人指導をしてもらった。2時間弱,武当太和拳の套路をみっちり習った。武当太和拳にも套路の長さによって何種類もあるみたいだけど,YoutubeなどでTaihequanで検索するとこの套路が一番よくヒットするから,一番ベーシックな套路なんだと思う。
とりあえず,まずは動きの順番だけはなんとか覚えた。動きの質そのものは当然,まったくなっていないけれども。
しかし,まず第一に興味深いのは,やはり身体的には,一連の動きの流れがスムースに構造化されていて,動いていて気持ちが良い。それから,空手の形と違って,太極拳であるからして,ある動きからある動きへ常につながっていて流れるように変化していく。空手は,技同士でつながっているところもあるけれど,一般に太極拳に比べたら,技一つ一つで区切りがあることが多い。メリハリを付けるというか,空手的なリズム,あるいは,強弱を付ける。武当太和拳にも独特のリズムや強弱のようなものはあるけれど(一般の太極拳よりは動きが速い),全体的に区切りなく一つにつながっている。
伝統的な楊式太極拳とは違って,何カ所か強く弾く動きもある。中国拳法ではこういうのは,勁を発する,というのかな。陳式太極拳にもある。ただ,全体的には柔らかく円や弧や螺旋を描くように動く。ボブは,Dragonのように動け,と言っていた。まさに龍形だ。そうやって,龍が気を練っている,気を捏ねている,そんな身体感覚だ。
それから,先日,武当太和拳には,気功的要素が強くなって武術的な要素はもはやないのでは,ということを書いたけれども,そんなことは全然なかった。一つ一つにそれぞれ武術的な意味があった。丁寧に味わい,分解し,辿って,研究すれば,いろいろと面白い術が隠れているかもしれない。
楊式太極拳も武術的に深い一方,この武当太和拳も深い。良い物を教わった。これから数ヶ月間,ボブにはこの太和拳の短い套路を中心に教えてもらうようにしよう。
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