5/14/2014

黒い道着

滞在30日目。5月14日(水)の午前4時。

そう言えば,一昨日,通っている太極拳教室をやっている近くのコミュニティセンターで,「沖縄空手(Okinawan Karate)」もやっていると書いてあるので,さて一体どんなことをしているのかと興味があり,ちょっと外から覗いてみた。ちなみに,同じところで,「日本空手(Japanese Karate)」というのもやっていて,ここはどうも空手協会(松濤館流)のようだ。確かに日本空手である。正しい。

で,Okinawan Karateの方だが,稽古している人たちはみな,「黒い道着」を来ていた。

師範らしき人が1人と稽古している人が4人。師範は白い道着だけど,なぜか習っている人たちは皆,黒い道着。まぁ別に,道着の色なんてどうでも良いわけで,白い道着じゃなくちゃいけないんだという決まりはない。たまたま講道館柔道(嘉納流柔術)がそうしたから,みなそれを真似してるだけだからだ。

稽古している4人はみんな初心者なのか,恐ろしく覇気が無く,また,動きもグダグダ。テコンドーで見るようなキックミット?らしきものを持っていたり,突きの稽古はボクシングのようにぴょんぴょん飛んで掛け声を出しながらステップを踏んでいたり。一応,ジオンとヘイアンらしき形をやってはいた。うううむ。

ちょっと調べてみたら,「Okinawa Kenpo Karate (OKK)」という連盟に所属しているらしい団体。なぜ「沖縄拳法空手」という名前なのかというと,どうもいわゆる「沖縄拳法」の故・中村茂先生の流れだかららしい。ただ,この後の系譜は,よく分からん。というのも,似たような名前の組織がいくつもあって,それぞれ書いていることが違い,どれがこの団体の属する組織なのか,はっきりしないから。

なお,最近の日本で「沖縄拳法」と言えば,「泊手」シリーズの山城美智氏が有名。

YoutubeでOkinawa Kenpo Karateと検索すると,たしかに,黒い道着を着た外国人空手家らしき人たちの動画がヒットする。なんだろう。黒い道着って,なんとなく,忍者みたいだから,アメリカ人からするとかっこいいのかな。確かに,アメリカ始め諸外国でも有名な,初見良昭先生の武神館(忍術)なんかは,黒い道着だし。ちなみに武神館本部は,うちの近所の野田にある。

中国から日本に拳法が伝わり,沖縄で醸成された手(ティ)が,やがて唐手から空手となりながら日本本土に輸入され,スポーツ化(競技化)を通して協会や全空連や極真の空手が世界にKarateとして伝わっていく。Japanese Karateの方は,まさにこれだ。

これに対して,今回のOkinawan karate(Okinawa Kenpo Karate)の方は,確かに沖縄から直接アメリカに渡った流派の一つであり,だからOkinawan karateで間違いではない。沖縄に米軍基地があるために,例えば,一心流など,米兵経由でアメリカに広まっている流派は結構ある。だから,スポーツ化を経ずに,純粋に沖縄の空手を伝えているという見方もあるかもしれない。

ただ,やはり,本家・本場から物理的に離れていけばいくほど,どうしても,術は変化していくように思える。身体的な技術だから,これはやむを得ない。加えてそこに何かオリジナリティを出そうという欲でも生じるのだろうか。

かくして,道着が黒になったりする。

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