滞在35日目。5月19日(月)の午前4時30分。
この1ヶ月,降る雨といえば霧雨程度の天気雨だったが,昨日は夕方にそこそこ降った。ただそれでも傘を差さずに歩く人はいる。どうせビーチで濡れてるし,ということか。
術は,シンプルな方が良い。とにかく,削りに削って,シンプルなものの方が良い。そしてそのシンプルな術を練り続ける。
空手で言えば,サンチンとナイファンチだ。
昨日はどこに行くあてもなく,部屋でナイファンチを練った。今の課題の一つは,ナイファンチを,サンチンと同じように腰を立ててやる方が良いかどうかだ。さらには,単に突きや蹴りをするときも,この腰の状態を意識してやってみるとどうなるかなど,いろいろと試してみた。結局,まだよく分からない。今日もまた試してみよう。
複雑な術は,そもそも覚えるのが大変なので,身体で練り込んでいく前のスタートラインに立つまでが長い。だから,複雑な術は,覚えるまでの時間(少しずつ覚えていることが増えていくところ)が楽しい一方で,そのものを練り込む楽しさは後回しになる。しかし,術は覚えることが目的なのではなく,本質的には,練り込んでいくところが大切だ。そこのところが本当の味わいで楽しいのだから,術はやはり,シンプルな方が良いように思う。
気功も,八段錦や易筋経や五禽戯や六字訣など色々あって(さらに,例えば,八段錦にも幾種類もあって),それぞれの気功の中にもたくさん動きが含まれている。あれこれ動きを覚えるのは,変化があって楽しいかもしれないけれど,シンプルなものをひたすら練る方が,やっぱり楽しい。
複雑な術や幾種類もの術をあれこれ覚えても,結局,そのあれこれを忘れないこと,覚え続けていることで精一杯になってしまい,練り込む楽しさを味わえない。じっくりと練り込んでいくときの,同じ動きでも身体の感覚が違うところを感じる,その辺りが面白いのだ。
ホノルルに来て,太和拳や太極拳を習っているけれど,これらを覚えてマスターするという意識は,だから,すっかり捨てようと思う。欲張ってもしょうがない。空手の,特にはサンチンとナイファンチを練るにあたって,それにどう益するか,どう足しになるか,どう参考になるか。そこにすべてを集約していく。
一人の人間が一回の人生で練られるものなど,たかが知れているわけだから,術はシンプルな方が良い。欲張らず,シンプルに,ただひたすら,練り込んでいく。
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