滞在61日目。6月14日(土)の午前6時。
いよいよワールドカップが始まった。ESPNでほぼ全試合中継するので,嬉しい限り。
ブラジルとアメリカ本土とはほとんど時差がなく,本土の東部標準時とハワイの時差は6時間なので,こちらではちょうど,午前中に試合が中継される感じになる。ありがたい。寝不足にならずに済む。
オープニングマッチは,開催国ブラジルvsクロアチア戦。この試合の主審を務めたのが日本人の西村雄一氏。1-1の同点で迎えた後半26分。ペナルティエリア内でクロアチア選手のファールを取って,ブラジルにPKを与えたことが,世界中で物議を醸している。まぁ,それぐらい注目の試合だったということと,ワールドカップはそれぐらい世界中の注目を集めているスポーツ大会だということかな。いや,自分がこの大会に注目しているから,西村氏のニュースに注目が行くだけか。興味のない人にとってはどうでも良い話。
一方で,このブラジル大会,開催に反対する地元の人たちのデモが,以前からずっと,そして大会直前まで報じられていた。大会が始まった今でもデモは行われているかもしれない。
ワールドカップに多額の税金が投じられている。こんな玉遊びにそんな大金をかけるなら,他に使うところいくらでもあるだろ(例えば,教育や医療とか),という主張。非常によく分かる。正論だ。貧しそうな人がナイフとフォークを持ち,皿の上にサッカーボールを置いて,悲しそうな顔をしている風刺画を見た記憶がある。サッカーボールは,食えない。腹の足しにならない。
経済的な循環はよく分からないけれど,よく「経済効果」って言葉を耳にする。こういう大会を開催するメリットというのが,ブラジルには,あるはずだ。メリットがなく,それこそ,FIFAやメディアが利益を独占しているのなら(というのがデモに参加する一般市民の主張だったりする),ブラジルは公費を投じただけで丸損ではないか。そんなことはないだろう。
ブラジルだって阿呆ではない。国全体として,色んな方面で色んなメリットがあるにちがいない。素人の発想でも,例えば,この大会を機に,建設業だとか観光業だとかが潤うとか,人的な国際交流が盛んになるとか,ブラジルという国の近代性と機能性をアピールするとか,国際的なプレゼンスを高めるだとか,いろいろ。経済効果として,そういうことが回り回って,教育や医療の分野の充実につながったり・・・ま,そりゃ,遠回りか(笑)。
それよりかは,その多額の公費を直接,目に見える形で教育や医療に投じろ,というのは至極ごもっとも。
ただ,デモで暴れている人を見るにつけ,思うのは,何かこう,日頃の鬱憤を晴らしたいがために暴れている市民,あるいは,有り余るエネルギーを放出したいがために暴れている若者,というのも中にはいるんだろうなということ。
もちろん,まじめに公費の使い道について訴えている人が大半なんだと思う。でも,メディアは暴れてるところばかり報じるから良くない。それの方がニュースとして,映像として,インパクトがあるから。で,インパクトがあって報じられるから,結局,暴れる人が出てくる。ということは,デモの暴力性はメディアが創出していることになる。
結局,ワールドカップに賛成の人も反対の人も,みんな,メディアの思うつぼだね。
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