6/03/2014

首の後ろを開く

滞在50日目。6月3日(火)の午前4時30分。

首根っこの後ろを開く。経絡 channel を開いて(通して)おくように。経絡とは,気が流れる経路(道)である。僧帽筋上部周辺を指して,スティーブは盛んにそこを開けと言う。経絡を開く(通す)というのは理論的な表現であって,実際はとにかく,首の後ろと肩の周辺を緩めて広げるように,というのが身体的な意味合いだ。

こうしようとすると,自然に肩が下がる。武術や瞑想・気功では一般的に,肩を落とす(下げる)ことが盛んに言われる。肩が上がること,肩に力が入ることを避ける。肩が上がっていると,武術的には,受けるとき捌くときや突くとき押すときなどに技が十分に効かないからであり,一方,瞑想や気功などでは,身体的にリラックスしていないからである。

肩が強ばって縮こまると,イメージとしてそこの経絡が詰まってしまうから,通しておこうとなれば,結果,僧帽筋を伸ばそうとする。そうすると,自然に肩が下がる。僧帽筋を伸ばしながら肩を上げることは不可能だ。

肩を下げろという直接的な指示表現が一般的に耳にするものであるところに,こうして首根っこと肩の辺りの経絡が通るように開いておけ,という指示表現は,発想の転換であり,身体を異なる複数の観点から眺めることができて,気持ちよい。

こうして首の後ろの気の通る道を開けておくと,頭と身体の連絡が良くなって,頭が冴える,記憶力が良くなる,とも言っていた(と,自分の師匠が言っていた,と言っていた)。

気を持ち出すのは理論的な表現であって,実際のところは,この辺りが強ばれば血流が悪くなって頭痛がしたりするわけで,何にせよ脳には良くない。その反対に,この辺りが緩んで血流が良ければ,脳に酸素が十分に行くわけで,何にせよ脳には良い。そういうことだ。たぶん。気というのは,優れた方便である。

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