滞在76日目。6月29日(日)の午前6時30分。
昨日,28日(土)の午前中,チルドレンズ・ディスカバリー・センター主催の「ケイキ・スワップ・ミート Keiki Swap Meet」というのに行ってきた。ケイキというのは,ハワイ語で「子ども」という意味。つまり,直訳すれば,「子ども交換会」というところか。何かというと,要するに,子どものフリーマーケット,である。
もちろん,子どもの親も付いて,各家庭がテントを張って,使わなくなったオモチャだとか服だとかを売る。子どもによる子どものためのフリーマーケットなので,一応,大人は引っ込んで,子どもが店員になり,客である子どもとやりとりする。が,ときに肝心の子どもがどこかに行ってしまい,親が売っているところもある。
売りに来ている家庭は,ざっとみて30ぐらいか。つまり,テントが30ぐらい,芝生の広場をぐるりと取り囲んでいる感じ。テントの下で,キャンプ用のチェアに座りながら,サンドウィッチや果物を頬張り,飲み物を飲んでいる。ちょっとしたピクニックである。
この芝生の広場は,ディスカバリー・センターの横にある。カカアコ・ウォーターフロント・バークの一部だろう。そう,ここカカアコ・ウォーターフロント・パークは,ホームレスがものすごく多く集まって住んでいるところである。
ここのホームレスは,人種もいろいろで白人,黒人,ポリネシア人など。そして,ワイキキのホームレスと違って,子どもが多い。おそらく,幼稚園ぐらいの年齢から中学生・高校生ぐらいの年齢まで,子どもたちもここで親とともに寝泊まりしている。彼らは,たまたま親がホームレスであったために,公園のシャワーで身体を洗い,公園のトイレで用を足している。果たして学校には行けているんだろうか。そういう子どもたちを見る度に,心が痛む。ただ,ホームレスの子どもは肥えている子も多いので,それなりに栄養は取れているのだろう。親もなぜか肥えている人が多い。
ここカカアコのホームレスは,各家庭?ごとに歩道にテントを張って住んでいる。歩道沿いに,テントが寄り添い合って,並んでいる。
つまり,どういう構図になっているかというと,芝生の広場の内側は,売るほどオモチャや服がある裕福な家庭のテント,一方,芝生の広場の外側は,そこで暮らしているホームレスの家庭のテント。その距離,およそ10メートル。公園の敷地内か敷地外かという,見えない境界を隔てて,その社会経済的な背景の落差があまりにも大きい。なんともいえない悲しい気持ちになる。
並んでいるたくさんのオモチャや服を見て,ホームレスの子どもたちは,何を感じているんだろう。きれいな服を着てきれいな食べ物をほおばっている同じ世代の子どもを見て,どう思うんだろう。そしてホームレスであるその親は,この状況をどう感じ,また,自分の子どもの気持ちを,どう感じているんだろう。
なんだかとても,残酷である。
0 件のコメント:
コメントを投稿