滞在55日目。6月8日(日)の午前4時30分。
昨日,ロイヤルハワイアンセンターで夜にやっていたフラダンスのショーを見に行った。フラダンスには二種類ある。古典フラと現代フラ。昨日のショーは,古典フラ。
イメージとしてありがちなフラダンスは現代フラで,「アウアナ」という。ギターやウクレレの伴奏で,明るく軽いノリで,手をゆらゆら揺らしたりするあれ。一方,古典フラは「カヒコ」といって,でっかいヒョウタン(イプヘケ)を叩きながら節を付けて唱えるメレ(歌)に合わせて踊る。手はゆらゆらしない。全体的に直線的で力強い。
「アウアナ」の振り付けにも何かしら意味はあるんだろうけれど,基本的に自由に構成して良いみたいで,色んなところで見かける度に,(人によってグループによって)違う。パフォーマンスとして,各自がいろいろとアレンジできる。
一方,「カヒコ」は神様に捧げる宗教的儀式だそうで,振り付けに一つ一つ意味がある。歌詞に合わせているのだ。つまり,儀式として歌詞が決まっていて,それに対応して振り付けも決まっている。となると,振り付けの自由度は低いはずだから,一定の型が決まっていて,世代を通して伝承されているものと考えられる。
そう,型,である。
型には,長い年月を掛けて洗練されてきた身体操作の妙が濃密に詰まっている。「カヒコ」の重さと濃さは,宗教的儀式だからという理由もあるのかもしれないけれど,身体操作としての歴史的練度の深さから来ているような気がする。古来より,型として幾世代に渡って継承され,練り込まれてきた身体操作。
もちろん,「カヒコ」は「アウアナ」をやってきた上級者がやるような側面もあるので,そうなると当然,個人として練度の高い人が踊るフラだから,そう見えるのかもしれない。確かに,若い人のカヒコよりも,お年を召した人のカヒコの方が,格段に重くて濃くて深い。
しかし,若い人のカヒコでも,アウアナよりは全然,踊りとして重くて濃くて深い。だからやはり,この古流の型に含まれる身体操作の歴史的な練度が高いのだ。と勝手にそう思う。
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