滞在54日目。6月7日(土)の午前4時20分。
スティーブに習っている伝統楊式太極拳を,帰国後にも続けたいと思ったりする。そう思って,GoogleやYouTubeで「(伝統)楊式太極拳」と検索してみる。いろいろ出てくるけれど,楊式規定套路,なんて出てくる。競技用の楊式太極拳なわけだ。制定の伝統拳。なんでこうして,何から何まで競技にしてしまうんだろう。
スティーブは,この太極拳はclassicalなやつだから,standardizedなのとちょっと違う,という。たしかに違う。特には,下半身の使い方が違う。だいたいYouTubeに出てくる楊式(Yang Style)は,幅広く前後に足を開いて体重を低く前に持ってきている。確かにその方が綺麗に見える。競技用だ。つまり見栄え重視。あるいはこれが制定(規定)なのだ,たぶん。
そういう競技や規定の形ではなく,本来の意味での「伝統」をやっているところもあるようだけれど,それもまたその師匠筋独自の「伝統楊式」なのだ。スティーブのとは違う。
つまり,このスティーブのやる太極拳をやっているのは,このスティーブ以外になく,日本にはない。おそらく,スティーブの太極拳に一番近いのは,スティーブの師匠だろう。つまり,これはスティーブの太極拳なのだ。この人が体現している太極拳が良ければ,この人に習うしかないのだ。
そう思うと,帰国後に,太極拳教室を探して習いに行くのは,あんまり気が進まなくなる。せっかくこれは良い術だと思って習っているその術が濁るような気がする。
とりあえず,スティーブに習っている太極拳のミソを持ち帰るれるように,日々,10式(8式)の中に練り込んでいる。
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