滞在74日目。6月27日(金)の午前4時30分。
昨日の午後3時半ごろ,ちょうど家族全員で部屋にいたら,突然警報が鳴り響き,建物の外に避難するようにとアナウンスがあった。イマージェンシーである!
住んでいる部屋は21階。非常階段で地上まで降りていく内に,同じようなところをぐるぐる回るから,目まで回ってきた。
地上に出ると,消防車が3台ぐらい来ていて,ちょうど消防士の人が,消火栓を捻って水が出るのを確認しているところだった。大きなスパナで力を込めて栓を捻ると,栓に塗ってある黄色い塗料が剥がれ落ちる。今まで使っていなかった証拠だ。最初に錆びた水が道路に数十メートル勢いよく出た後,続けて普通の水もちゃんと出ることを確認して止める。消防車のホースを取り付ける。準備完了。
地上には大勢の降りてきた住人が,マンション(コンド)を見上げ,さて,どこの部屋が火事なんだ?と詮索する。どこからも煙は出ていない。飛び降りか?なんて物騒な声も聞こえる。
見上げると,部屋から下を覗いている人がチラホラいる。世の中には,こういうとき,降りてこない人というのがいるんだ。降りる途中,バスローブを羽織り,頭にタオルを巻いた女性もいた。たぶん,入浴中だったのだろう。そうやって,着の身着のままで降りてくる人もいれば,悠々と部屋から顔を出して階下を眺めている人もいる。
こういうときは,何はともあれ,指示にしたがって避難した方が賢明であり,過小評価はしない方が良いのに,と3.11を経験した日本人としては,思う。
結局,「誤報」であった。良かった。誤報かよ~なんだよ~もう~びっくりさせやがって,と一斉に戻っていく住人たち。
マンション(コンド)の仕組みとして,料理などでちょっと焦がしたりすると室内の火災報知器が鳴り響く。だから焼いたりするときは事前に換気扇を回しておかなければならない。もし火災報知器が鳴ってしまったら,そのときは換気扇を回し,窓を開けて,空気を入れ換える。するとそのうち鳴り止む。こちらに来てすぐのころ,どのくらいの煙で鳴ってしまうのか知らなかったので,うちも一度,部屋の火災報知器を鳴らしたことがある。正直,ビビる(笑)。ここで焦って部屋の「ドア」を開けてしまうと,消防署に自動的に通報される。つまり,「誤報」される。
だからたぶん,部屋の火災報知器が鳴り,そこの住人が焦ってドアを開けてしまった,というのが真相だろう。
急いで降りてきた住人たちもたいへんだけれど,消防署の人たちもたいへんである。この騒ぎのために消防車によって突然通行止めになったので,建物前の道(一方通行)にちょうどいた車は,まったく無関係なのに,身動きが取れなくなってたいへんである。
こうしてみんなたいへんなんだけれども,とりあえず,何事もなくて,良かった。避難訓練だと思えば,良い経験をさせてもらった。
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